

「子どもが水を怖がる」「家族の会話が消えた」。インド洋津波で児童らが犠牲になったタイ・バンコクの日本人学校「泰日協会学校」で、子どもや親らが連日、深刻な心の傷を訴えている。聞き手は、文科省が派遣した臨床心理士の小沢康司さん(49)。小沢さんは「時間をかけて癒やす必要がある」と話している。
小沢さんは、1999年の台湾大地震や2001年の米同時テロ後にも、現地の日本人学校に赴いた経験がある。
泰日協会学校での面談は18日から。同校では旅行先で津波に遭った児童が十数人いる。日本大使館書記官の吉野貞行さん(41)の長男で、吉野さんと共に犠牲になった魁人(かいと)君(8)も同校の児童。妻(35)が死亡した教員もいる。津波に直接は遭遇していない家族なども含め、小沢さんは連日、10人前後と面談している。
子どもたちの恐怖は根深い。「テレビに水が映ると泣き出す」「水に近づくのを嫌がる」「1人で寝られない」。親たちも、「迫る波から必死で逃げた情景が、頭から離れない」と訴えている。小沢さんは「水の災害がこれほどの恐怖を残すとは……。もっとじっくり相談に応じたいが追いつかない」と打ち明ける。24日からはシンガポール日本人学校に移り、同様に津波に遭った児童や父母らにカウンセリングを行う予定だ。(バンコクで、河村武志)
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